宇宙服ってどんな構造になってるの?わかりやすく解説します!

SF映画で目にする機会が多い「宇宙服」。見た目のシルエットやデザインを想像することはできても「構造」を知っているという人は少ないのではないでしょうか?実は、宇宙服には知られていない様々な役割があったりします。本記事では宇宙服の構造をわかりやすく解説していきます。

宇宙服の役割とは?

映画「パッセンジャー」のストーリー内でも登場する「宇宙服」。
宇宙で活動するためには欠かせないアイテムとして、映画や漫画といった様々な作品で見かけますよね。
宇宙服の最大の役割は「人間の生命の維持」です。
地球上とは異なり宇宙空間では生身のまま活動することができません。人間が活動できる圧力や温度を保つ、必要な酸素を供給する、宇宙の塵や気圧差に耐えられる頑丈さが宇宙服には必要となります。

宇宙服の構造はどうなってるの?

宇宙服の構造はどうなっている?

宇宙服の生地は「14層」で構成されています。
大まかにわけると冷却下着の3層・気密保持の2層・宇宙環境からの保護の9層となります。

冷却下着

宇宙服の構造の1つ「冷却下着(液体冷却服)」は、体全体に行き渡るようにチューブが張り巡らされています。そのチューブ内を冷却水が通過することで、人体により暖められた空気を冷やすといった働きがあります。地球上とは異なり、宇宙空間では人体から発生した熱はなかなか外に逃げ出すことができず、放置していると宇宙服の中が高温となってしまい危険な状態となります。宇宙空間で安全・快適に過ごすためには宇宙服の中を冷やす冷却下着は必須だということです。

気密保持

宇宙服の4・5層は、内圧の酸素の漏れと服の膨らみを防ぐためにポリウレタン素材を使用したナイロンによる気密維持層となっています。

宇宙環境からの保護

6~14層は、断熱や宇宙環境から保護するための層となっています。

その他の装備

宇宙服は14層の構造となっていることに加えて、生命維持装置や通信機器・バックアップ用の二酸化炭素も装備されています。大きな装置・機器は、背中に取り付けられています。

これからの宇宙服はどうなる?

アメリカが中心となって日本も参加している「アルテミス計画」では、2025年以降の有人月面着陸を目標としています。こちらの計画では、従来の宇宙服ではなく「xEMU」と呼ばれる新しい宇宙服を導入するといった発表がありました。詳しい構造は判明されていませんが、従来の宇宙服よりも動く安く、フリーサイズで誰でも着用できるようになると言われています。

まとめ

大きなイメージのある宇宙服は、過酷な宇宙空間で人間が生きられるように開発されています。全14層で全てのそうにはそれぞれしっかりとした意味や働くがある構造となっていました。現在は、さらに軽量で高機能な宇宙服の開発も進められています。